急きょ北海道に帰りました。
理由は祖母に会いに行くため。
実家からのメールで
介護施設にいてもう長くないそうです。
小学校くらいから、高校卒業まで
面倒を見てくれた家族なのでとても悲しいです。
事情を説明すると社長が
「すぐにでも行ってきなさい」
と言ってくれたので
すぐに飛行機のチケットをとって帰りました。
移動で10時間もかかる田舎なので帰るだけで大変です。
母と合流して施設へ行くと…
久しぶりに会った祖母は元気そうでしたが、
認知症や脳梗塞を患っている祖母の口からは
もう言葉は出せません。
コロナ禍で対面の面会ができなかったので
症状が進行してしまったそうです。
私はなんと声をかけたらいいか
わかりませんでした。
祖母は久しぶりに会った私を
わかっているのかいないのか、
じーっと私を見たあと
うーうーうなっています。
しかし少ししたら眠ってしまいました。
時間にしたら15分くらい。
これで面会終了です。
面会の流れもわからないので
黙って様子を伺います。
どうやら祖母の容態については
週に一回来てくれる往診の先生から
お話しされるみたいです。
そこで延命治療をするかどうかの
最終確認があるそうです。
それまでは毎日会いに行くしか
できません。
なんとなくわかったことが、
祖母はうなっていましたが
どうやら嬉しかったようです。
介護スタッフさんに話を聞くと
五感の中で聴力だけは最後まで
残るそうなので話だけは聞こえているそうです。
母も祖母の手を握るだけで
何も話しはしないし…。
次の面会の日から、私は
「今日はこういうことがあって…」
とその日あったことを話すようにしました。
祖母は何が好きか、
どんなところに旅行に行ったのか、
いろいろなことを母から聞きました。
その時思ったのは、
元気なときにもっと話しておけば
良かったなぁという後悔と、
それでも今話したいことを話せて
楽しそうにしている祖母を
見れた安堵感でした。
目は口ほどに物を言う
ということわざがありますが
本当にその通りで
もう話すことはできない祖母でも
目を見ていれば楽しそうかどうか
わかります。
面会の始めのうちは
5分ほどで寝てしまっていた祖母も、
ずっと話していると
長い時間じっとこちらを見て楽しそうに
話を聞いていました。
そして往診の先生のお話しを聞く時が
やってきました。
寝てる時間が長くなり、
食事の回数が減っていること。
喉が弱いので食べ物やお薬を
飲み込めないことがあるということ。
延命措置をしたとしても
身体中に管を通されてとても痛々しい姿で、
今以上に良くなることはないこと。
そんなお話しをされました。
もともと祖母が元気だった頃に
延命措置はしないでほしいと
言われていたそうなので
見取りの同意書にサインをしました。
これで今まで予約制だった面会も
いつでも自由に来ることができます。
というのも、こんなど田舎なのに
母は車の免許を持っていないので
この施設にくるだけでも
1時間に1本しかないバスを
使うしかなかったのです。
私が帰って来ている間だけでも
レンタカーで行き来はしていますが、
私がいなくなってからは大変だと思います。
面会時間が自由になったことですこしでも
母の負担が減ればいいですが…。
看取り介護になると面会時間が
自由になるのと、
個室での面会になります。
介護スタッフさんに
個室に案内される道のりで
「○○さん（祖母）はいつもここの場所で
ご飯を食べてて、テレビが好きなので
そっちをむいて食べてますよ」
とか
「○○さんは美人なおばあちゃんで
有名だったんですよ」
というお話しを聞きました。
嫁ちゃんも介護関係の人なので
よく言ってましたが、
「スタッフさんに愛される
おばあちゃんにならないとダメよ」
なんとなく意味がわかりました。
きっと祖母はその施設で
とても愛されていたんですね。
どのスタッフさんもとても親切に
対応して頂きました。
そして、2週間ほど実家に滞在していた私も
そろそろ嫁ちゃんのいる住まいへ
戻らなければなりません。
今回は急な話だったので
慌てて帰りましたが、
祖母もまだ元気そうなので
ひとまず戻ります。
帰る日の前日に祖母に
帰るということを言ったら
とても寂しそうな顔をしていました。
『また会いに来るから
それまでお互い元気でいようね』
そんな約束をして戻りました。
人に限らず生き物はみんな
命に限りがあります。
もう長くはないと言われたら
とても悲しいです。
でも、残りわずかな時間でも
そこでまた思い出を作れたら
幸せですよね。
もう少ししたら
また帰ろうと思います。
読んでいただきありがとうございます。
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